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  六  イエズスのご苦難とご死去



六十  イエズスは使徒たちに、ご自分のおんからだとおん血を与えた



 過越しの祭の前の晩、イエズスさまは二人の弟子をある家にやって、過越しの祭の食事の仕度をさせました。弟子たちはすぐに行って、言いつけられたとおり、りっぱな広間に食事の準備をととのえました。

 日がくれると、イエズスさまは、十二人の使徒をつれてそこへおいでになり、みないっしょに、過越しの食事をしました。ところがユダは、食事の途中で、出ていってしまいました。

 イエズスさまがこの世を去って、天の父のみなもとに帰るときは、いよいよ近づいてきました。イエズスさまはパンを取り上げ、祝福してさき、弟子たちに分けて、「受けて食べなさい。これはあなたがたのために渡される、私の体である」とおっしゃいました。それからぶどう酒の入っている杯をおとりになり、同じように祝福して、「みな、これから飲みなさい。これはあなたがたのために流される、私の血である」とおっしゃいました。そして最後に、「私の記念として、この事を行いなさい」とおっしゃいました。こうしてイエズスさまは、終わりまで弟子たちを愛してくださったのでした。


一 イエズスさまがパンをとって、「これは私の体である」とおっしゃったとき、何をなさったのですか?

 
イエズスさまが「これは私の体である」とおっしゃったのは、そのパンを、ご自分のおんからだにお変えになったのでした。



二 イエズスさまがぶどう酒の杯をとって、「これは私の血である」とおっしゃったとき、何をなさったのですか?

 
イエズスさまが「これは私の血である」とおっしゃったのは、そのぶどう酒を、ご自分のおん血にお変えになったのでした。


三 イエズスさまが使徒たちに「私の記念としてこの事を行いなさい」とおっしゃったのは、どういう意味ですか?

 
イエズスさまが「私の記念としてこれを行いなさい」とおっしゃったのは、使徒たちに、パンとぶどう酒を、イエズスさまのおんからだとおん血に変える権能を、お授けになったことです。


四 使徒は、パンとぶどう酒をイエズスさまのおんからだとおん血に変える権能を、のちの司教や司祭に伝えました。この権能は、御ミサの時に実際に行われます。


五 聖木曜日(御復活祭前の木曜日)には、イエズスさまがエルサレムで十二人の使徒たちと最後の晩餐をなさり、御聖体をお定めになったことを記念します。


六 つぎのように祈りましょう

 「イエズスさま。あなたは、あの恐ろしい苦難をお受けになるまえ、尊いおんからだとおん血とを、弟子たちにお授けになりました。そして今でもたびたび、司祭の手から私においでになります。私は心から感謝いたします。そしてあなたが、御聖体においでになることを、固く信じています。イエズスさま、あなたは尊い神さまであり、最もすぐれたおかたであり、天も地もみなあなたのものですから、私は謹んであなたを拝みます。」


     ミサ聖祭


一 今でも、御ミサの時は、イエズスさまが私たちのために、ご自分をいけにえとして、天のおん父にお献げになります。ですから私たちは、御ミサの時に、いちばん尊いお恵みをいただくことができます。


二 ミサ聖祭はどのような部分からなっていますか?

 
ミサ聖祭は 1 開祭の儀、 2 ことばの祭儀、 3 感謝の典礼、 4 閉祭の儀の四部からなりたっています。


三 感謝の典礼に入ると奉納が始まりますが、そのとき司祭と会衆は何をしますか?

 そのときパンとぶどう酒の奉納が始まりますが、そのとき会衆は奉納の歌を歌います。司祭はパンとぶどう酒とを、信者の献げものとして神さまにささげます。奉納のとき司祭の献げるパンをホスチアといいます。奉納のとき、信者は、自分も献げものとして神さまに献げる決心をします。


四 ミサの中心である聖変化のとき司祭は何をしますか?

 
聖変化のとき、司祭はパンとぶどう酒とを、イエズスさまのおんからだとおん血に変わらせます。しかしパンとぶどう酒の形や性質は、そのまま変わりません。


五 聖変化のあと、司祭がホスチアをかかげるときは、つぎのように祈りましょう。

 
「イエズスさま私はからだも心も、いっさいをあなたに献げます。」

 
「救い主イエズス・キリスト、いっさいの人を救わんために、十字架にくぎづけにせられたまえるおんからだを、謹みて拝したてまつる」 (公教会祈祷文 47ページ)


六 そのあと、司祭がカリス(さかづき)をかかげるときは、次のように祈りましょう。

 「イエズスさま、私をいつくしみ、私を哀れみ、私の罪をお赦しください。」

 「救い主イエズス・キリスト、いっさいの人を救わんために、十字架の上にて流したまえるおん血を、謹みて拝したてまつる。」 (公教会祈祷文 48ページ)


七 御聖体拝領とはどういうことですか?

 
御聖体拝領とは、イエズスさまのおんからだとおん血をいただくことです。司祭はおんからだとおん血の両方をいただきますが、信者はおんからだだけの形で拝領します。


八 御聖体拝領まえの祈り

 
「主よ、私はあなたをお迎えするねうちもないものです。けれども、ただひとことおっしゃってください。そうすれば私の心は清められます。」

 
「私を愛してくださるイエズスさま。私は心からあなたを愛しています。あなたは御聖体の姿でおいでになります。イエズスさま。どうぞ私の心においでになって、清めてください。」

 
「イエズスさま、私の心においでになって幸いをお与えください。愛するイエズスさま、私はただあなただけを望みます。」


九 公教会の第一のおきて (公教会祈祷文 9ページ)

 
主日と守るべき祝日とを聖日とし、ミサ聖祭にあずかるべし。 (日曜日と守るべき祝日には、大きな理由がなければ、必ず、労働をやめて御ミサにあずからなければなりません。)


  御聖体

一 パンとぶどう酒の形でいらっしゃるイエズスさまのおんからだを、御聖体といいます。

二 御聖体は、祭壇の上にある御聖櫃の中におさめてあります。御聖体をいれるうつわにはチボリウムと御聖体顕示台の二種類があります。チボリウムというのは杯の形をしており、中に小さいホスチアをおさめ、御聖体顕示台というのは、御聖体降福式の時に御聖体をかかげ示すもので、それには大きいホスチアをおさめます。


三 ホスチアにはどなたがいらっしゃいますか?

 
ホスチアには、イエズスさまのおんからだも、おん血も、ご霊魂も、みなあります。

 御聖体をおさめた御聖櫃の前には、赤い火をともします。これを御聖体ランプといい、御聖体がおいでになることを示すしるしです。その前を通るときは、いったんひざまずかなければなりません。


四 聖霊ご降臨祭のつぎの週の木曜日は、御聖体の祝日です。この日は、御聖体においでになるイエズスさまに、感謝と賛美を献げます。


五 御聖体の祝日には、たいていの教会では御聖体行列が行われますが、ほかの機会に行われることもあります。


    御聖体訪問



 聖アルフォンソは、「あなたは死ぬ時に、また天国へ行ってからも、この世では御聖体を訪問した時がいちばん幸福であったと知るであろう」と言われました。ですから、たびたび御聖体をおたずねして、その前でお祈りしましょう。その時は、つぎのように祈るがよろしい。

    準備
 
一 おみどうへ行く途中で

 
「イエズスさま。私はあなたの所へ行けるのを喜んでいます。どうぞみもとに私を招いて祝福を授けてください。」


二 おみどうに入るとき

 聖水をつけて十字架のしるしをしながら、

 
「父と子と聖霊よ、私を清めてください」 と祈りなさい。
 

三 御聖櫃のまえで

 「イエズスさま、私は御聖体においでになるあなたを、つつしんで拝みます。」



  祈り


四 信仰を起こすために

 
「イエズスさま。あなたは、あの恐ろしいおん苦しみをお受けになるまえ、弟子たちを深く愛され、ご自分のおんからだとおん血を、お授けになりました。また司祭の手から、今までたびたび私にもおいでくださいました。イエズスさま、私はこのことを、心から感謝しています。そしてあなたが、今も現に御聖体においでになることを、固く固く信じています。」


五 霊的御聖体拝領 (本当に御聖体を拝領しないけれども、心の中に御聖体をいただくこと)

 
「イエズスさま、あなたは哀れみ深いおかたですから、私の罪をみな忘れてくださいます。あなたはいつくしみ深いおかたですから、いつも私をお呼びになります。私は恐れることなく、喜んでおそばにゆき、あなたをいただきたいと思います。イエズスさま。私は心からあなたを愛し、御聖体のあなたをいただくことを、熱心に望みます。どうぞ私においでください。そして私を清め、いつもあなたに仕えている幸いな天使のようにしてください。あなたの暖かいみこころは、私にたくさんのお恵みを下そうとしていらっしゃいます。愛するイエズスさま、どうぞ私においでください。」


六 霊的御聖体拝領したあとは、なんでも思うとおり、御聖体のイエズスさまにお話したりお願いしたりしなさい。


七 それから 「天にまします」 「めでたし」 などの祈りをとなえなさい。


八 御聖体の歌

 公教聖歌集 252  そらのほしの


九 祈りの終わりには、「御聖体にましますイエズスさまは賛美されますように」ととなえなさい。


   おみどうを出る前

十 公教聖歌集 2 みもたまも


十一 それからひざまずいて出るときは、「愛するイエズスさま。どうぞいつも私といっしょにいらっしゃるように」と祈りなさい。


十二 おみどうの出口で聖水をつけるときは、「父と子と聖霊よ、私をお守りください」と祈りなさい。




     御聖体拝領

一 イエズスさまは私たちをみな愛しておられます。そして私たちが御聖体をいただくことを、たいへんお喜びになります。


二 御聖体を拝領すれば、イエズスさまはどんなお恵みをくださいますか?

 
御聖体をいただけば、イエズスさまは特別のお恵みと、よいことをし悪いことを避ける力をくださいます。ですから、正しい心でたびたび御聖体をいただけば、イエズスさまが天国に導いてくださいます。


三 御聖体を拝領するためにはどんな準備が必要ですか?

 
御聖体を拝領するためには、大罪があってはなりません。ですから、もし大罪があれば、前に告解して罪の赦しをいただくことが必要です。それから、御聖体のおん助けによってお恵みをいただこうという、よい決心がなければなりません。御聖体拝領の一時間前からは食べ物と、飲み物をとってはなりません。水はいつでも飲めます。重い病気で寝ている人は、こういう制限をゆるされることがあります。


四 大罪のある人は、御聖体拝領前に、どうしても告解しておかなければなりません。大罪のままで御聖体を拝領すれば、その大罪の上に、さらに汚聖 - 神さまをないがしろにしたという恐ろしい大罪を加えることになります。


五 御聖体をいただくときは、ただいただくだけではなく、なんのためにいただくかを、イエズスさまにお話しするがよろしい。たとえば、特別のお恵みをいただくためにとか、いっそうよい子になれるためにとか、大罪におちいらないようにするためにとか、そのほか、天国へ行けるようになるためにとか、いろいろよい意向があるでしょう。


六 私たちは一生、正しい心でたびたび御聖体をいただかなければなりません。もしこの決心を守りとおせたなら、きっと、天国に入ることができます。


   御聖体拝領の祈り




御聖体拝領の前に

一 「イエズスさま。今私はあなたのおそばに近づき、あなたをいただきます。どうぞ私の心を清めて、イエズスさまのおすまいにふさわしい所としてください。おん母マリアさま。どうぞ私の手をとって、おん子までみちびいてください。守護の天使、保護の聖人、天国の諸天使諸聖人よ。私のためにお祈りください。」


二 聖歌    公教聖歌集  61   わがたまのかて


三 信仰を起こして礼拝しましょう。

 「イエズスさま。あなたは、あの恐ろしい苦難をお受けになるまえ、尊いおんからだとおん血とを、弟子たちにお授けになりました。そして今でも、たびたび司祭の手から私においでになります。私は心から感謝いたします。そしてあなたが、御聖体においでになることを、固く信じています。イエズスさま、あなたは尊い神さまであり、最もすぐれたおかたであり、天も地もみなあなたのものですから、私は謹んであなたを拝みます。」


四 謙遜と痛悔を起こしましょう。

 「イエズスさま。あなたは最も尊いおかたで、私は貧しく、いやしい者です。あなたは聖なるおかた、私は罪に汚れた者です。それなのにどうしてあなたをいただくことができましょう。私は、自分の犯した罪を心からくやみます。ですからどうぞおいでになって、私の心を清めてください。」


五 愛と望みを起こしましょう

 「イエズスさま。あなたは哀れみ深いおかたですから、私の罪をみな忘れてくださいます。あなたはいつくしみ深いおかたですから、いつも私をお呼びになります。私は恐れることなく、喜んでおそばにゆき、あなたをいただきたいと思います。イエズスさま。私は心からあなたを愛し、御聖体のあなたをいただくことを、熱心に望みます。どうぞ私においでください。そして私を清め、いつもあなたに仕えている、幸いな天使のようにしてください。あなたの暖かいみこころは、私にたくさんのお恵みをくださろうとしていらっしゃいます。愛するイエズスさま、どうぞ私においでください。」


六 聖歌   公教聖歌集 2 みもたまも


七 よい決心をしましょう。

 「イエズスさま。私はたくさんの罪をおかしました。あなたは何よりも罪をお嫌いになりますから、きびしく罰せられます。イエズスさま。あなたは私を深く愛し、私のために十字架の上でなくなられました。それなのに、私はたびたび罪を犯してあなたにそむき、みこころを悲しませました。私は今、犯した罪を心から悔やんでいます。これからは決して罪を犯さず、罪のさそいとなることも、みんな避けるようにします。ですからイエズスさま。どうぞ私の罪をお赦しください。


八 御聖体拝領のすぐ前、つぎのように三度となえながら、胸を打ちます。

 「イエズスさま。私はあなたをお迎えするねうちのない者です。どうぞただひとことばで、私を清めてください。」


九 自分の拝領の番がくるまで、わきみをしたりしないで、熱心に祈りながら待ちなさい。

   御聖体拝領のあと



十 礼拝しましょう。

 「イエズスさま。私の心は今、尊いあなたのおんすまいとなりました。私は天使と心を合わせて『聖なるかな、聖なるかな、聖なるかな、万軍の神なる主』と、一心にあなたを賛美し、謹んであなたを礼拝します。


十一 感謝しましょう。
  
 「イエズスさま、あなたは私においでくださいました。あなたはどんなに私を愛され、どんなに多くのお恵みをくださったことでしょう。私はどのようにお礼のことばを言ってよいのかわかりません。あなたは私のものとなり、私はあなたのものとなりました。あなたは私においでになり、私はあなたにいます。私はなんという幸いなものでしょう。」


十二 自分を献げましょう。

 「イエズスさま。あなたは尊いおんからだを私にくださいましたから、私は、自分をみな、あなたにさしあげます。いつもいつまでも、あなたを愛します。だれよりもあなたを愛し、みことばを心から信じ、いつもそれに、進んで従うことをお約束します。どうぞ私をお受けください。私は献げものになったこの自分を、いつまでも清く守ります。」


十三 必要なお願いをしましょう。

 「イエズスさま。私はいまあなたにした約束を、固く守ります。あなたは慈悲深い、全能の神さまですから、どうぞ私をお助けください。これからは、一つも罪を犯さないようにしてください。私には悪いくせや弱い所がたくさんありますから、どうぞそれもおなおしください。よいことをしようとするとき、どうぞ勇気をお与えください。苦しい時や悲しい時は、私をなぐさめてください。たびたび御聖体によって私においでください。やがて私が死んで、天国へ旅立つときは、その道のかてとおなりください。」


十四 ほかの人のためにも祈りましょう

 「イエズスさま。私の愛している人々をみなあなたにおまかせいたします。私の両親を祝福し、幸いを与え、天国に導いてください。私のきょうだい、親戚、先生、恩人、そのほかお友だちにも祝福をお与えください。教皇さまを助け、天皇を守り、すべての人々にお恵みをお与え下さい。また、煉獄で苦しんでいる霊魂にも哀れみをくださり、早く天国にはいれるようにしてください。」


十五 このあと、十字架のご像かご絵の前でつぎの祈りをとなえれば、全免償がいただけます。 (公教会祈祷文 77ページ)  免償というのは罪の赦しではなくて、犯した罪の罰が、ある程度赦されることです。


 仁慈にしていとも甘美なるイエズス。みまえにひざまずき、ひれふしたてまつる。預言者ダビデが主につきて、『かれらはわが手わが足をつらぬき、わが骨をことごとく数えたり』と言いしおん有様を、いま目前に見たてまつりつつ、心の大いなる愛情と苦痛とをもって、主の五つのおん傷をひたすらながめ、かつ心にて思いめぐらしたてまつる。信、望、愛のはげしき感情と、わが罪のまことの痛悔と、これを改むる最も固き決心とを、わが心にしみとおらせたまわんことを、ひとえに願いたてまつる。」 「天にまします」 「めでたし」 「願わくは」


十六 教皇さまのご意向のために祈りなさい。

 たとえば 「天にまします」 「めでたし」 「願わくは」を一回づつなど。


十七 御聖体拝領のあとは、自分のからだは神さまのおすまいになる神殿になったのですから、このことをよく考え、少なくとも十五分ぐらいはおみどうで、気を散らさずによくお祈りをしなさい。


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